ルアーローテをしないアングラーは意外に多い。「全くしない」はゼロに近いと思うけど、ローテーションの頻度は人によって実に様々。
しかし、ローテーションの「目的」が人様々だと困るのだ、本来目的ははっきりしているのだ。シーバスやってると、こちらに不利な状況なんてしょっちゅう起こる。
釣り場でその人のローテを見ていると、その人のレベルも分かる。おお、流石!というローテをしている人は本当に少ないのが現実だ。
最近のルアーはよく出来ており、ローテをしなくても投げ倒していれば魚は釣れる。がそれでは、あまりにも薄っぺらいではないか。
ボウズで一日を終えた時、「今日は魚が居なかった」で自分を慰めてはいないか?
魚が居なかったと言えるだけの最善を尽くして吐いた言葉か?
ルアーには「大きさ」・「形」・「動き」・「レンジ」・「色」と、大きく5種の違いがある。この中で特に重要なのは動きとレンジ。
例えばミノーならばロール・ウォブン・ウォブンロール・スラロームという動きがあるが、それぞれに振り幅の大小がある。これは支点を頭に
持ってきているのか、中心に近い位置に設定されているのかで違いを持たせている場合もあるし、リップの大きさや形状で変化を付けている
場合もある。勿論、ルアー自体の形状もアクションに大きな影響を与えている。
わかりやすく、最近主流の「ウォブンロール」を例に話を進めていこう。これを例にすれば、ロールとウォブンの文章も省けるので。
まず、ウォブンロールというのは名の通り、「ウォブン」と「ロール」を組み合わせた動き。手の甲を上にして手首を支点に、∞を描くとイメージしやすい
かと思うが、はっきり言えばウォブンもロールもこれ一本!という、横着なルアーである(違)
よくパッケージに「ロールアクションからウォブン、早巻きでウォブンロールアクション」なんて書かれているが、正確性を求めると、アクションの変化は
巻き速度のみで起こるものではない。受ける水流の強弱で生まれるものだ。「一秒一巻きほどのリトリーブでロールからウォブンに変化します」と
いう説明は実に不親切。巻かずとも、リップにガンガン水が当たればルアーはアクションするわけ。
つまり、河川幅・干満差・高低差で流速は違うし、刻々と変化するものとしては、下げ潮・込み潮も大きく影響しているということ。
ローテーションは状況が変化するから行う行為。
気分で変えてはダメなのだ。
ルアーというものはそれぞれにレスポンスの善し悪しがあり、スローに巻いてもアクションする様に作られているものもあれば、その真逆に設定されているものもある。
同じアクションでも、それぞれレスポンスに違いを持たせて開発されているのだ。ご当地ルアーと言われる「瀬戸内仕様」とか
「湾奥最強ルアー」というのは、ただのメーカー戦略とは言いきれず、本当に地域性に基づき考えられた設計になっているものもある。
使ってみると「あれっ?」というモノも多数出回ってるけど(笑)
釣りをしていて、河川状況がある一定の条件を満たした時にだけ、威力を発揮するルアーというものが存在する。こういったピーキーなルアーをいくつか
所有していれば、魚はかなり釣れるようになる。というよりも、このルアーの本領はこういった時に発揮されるんだ、という事を理解していれば迷う事もなければ、
無駄な買い物もしなくて済む。
「込みに変わる瞬間のあの流れ。あの場所で、水面下10cmで、RODを寝かせゆっくり巻いて、あの動きが出せるルアー無いかな....」
「アップで流してきて、弧の頂点で初めてリップに水流を当てた時に、プルっと少しだけ震えるルアー無いかな....」
そういう視線でルアーコーナーを覗いた時、光がパッと射すかも知れない(笑)
幸運にも自分が求める、そいうったルアーに出会った時に、改めてカラーやなんかの細かい事を気にすれば良い。
あと....オールラウンドなルアーとピーキーなルアーは使いこなせると、その定義は紙一重になってくる。一見、両者は矛盾するようにも聞こえるが、
オールラウンドとは「何でも思いのまま」という意味合いもある。もし本当にオールラウンドならば、自分が操作する事でピーキーな動きも出せる
という事になるからだ。実際にはオールラウンドなルアーなんてものは存在しないのだが、あえて近いものと言えばシンキングペンシルかも知れない。
そんなシンキングペンシルも、浮いた状態で定位することは出来ないので(笑)、一本で何でもという事は絶対に不可能という事になるわけだが。
稀に....理解しているのにローテーションしない人もいるのだが、その人はモノグサか超エキスパートのどちらかだ。
「くそ〜!今日の潮でこの流れは出ないと思ってたのに。。。BOXに入らないからあのルアー置いてきちゃったよ」
なんて言ってるやつは、ウザくてどんくさいが、少し上手いやつだ。