平衡感覚を失ったコノシロが今秋も食われている。
コノシロ自体、特に秋になると塩分濃度の薄いエリアに移動する性質を持っていると言われており、
汽水への順応能力は比較的高い魚と言える。雨量の減るこの時期(10〜12月)、特に中流〜上流に
掛けて遡上するのはこの為と思われる。淡水負けしない魚が何故死ぬか?と言うと、雨量が減った事から
起こる水質の傾きが影響を与えていると考えれば、ある程度の説明もつくだろう。
溶存酸素の濃度が下がると水質はアルカリ性に傾き、コノシロは流れの有る中流〜上流域(酸性)へ。
秋口に「塩分濃度の低い場所へ移動する」という本来持つ性質と水質の傾きが合わさることで「命の危機」
を感じ、一気に遡上することでPHショックが起こる、と。
もともと汽水に差さない魚なら「淡水負け」が濃厚だが、好んで遡上する以上、
やはり急激なPHショックの要因が大きいのではと思う。
これは同じく汽水への順応能力が高いシーバスにとってもシンドイ環境と言える為、コノシロの死骸が
流れてきたものなのか、そのエリアで息絶えたものなのかの判断をしたいところでもある。
(2006.11のブログ記事より抜粋・再構築)
コノシロの大量死に関してはいまだに解明されておらず諸説あります。
これ以外の要因はもちろん、それらが複合することで起こる現象
とも言えますが、こういった解釈や答えを自分で持っておくことで
精神的に落ち着いちゃいます。これらは僕にとっていわば安定剤のようなものです。