広島へシーバス遠征に来られる方もずいぶん多いこの頃。昔は然程注目もされていなかった広島だけど、近年、雑誌やWebでの露出が増えた影響からか、
10〜11月末のハイシーズンになると他県ナンバーを良く見かけるようになった。
車で乗り入れ出来る距離ともなれば、もはや遠征とは言えないかもだけど、遠征組の中には新幹線や飛行機で来広される方も。知人を頼って来た人・単身乗り込んできた人
と様々だと思うけど、初めて広島に遠征に来られる方が知りたいのは、やはりローカルルール。いったいどんな感じ?
まずは水の都広島を知る
広島市内には大小合わせて2700もの橋が掛かっている。大阪の3倍以上の数と言えば多いことがわかるかと。
猿猴(えんこう)川・京橋川・元安川・本川(旧太田川)・天満川・太田川放水路....市内を流れ海へ注ぐ主要河川は6本だが
他にも独立して海へと注ぐ中規模河川が2本。(瀬野川・八幡川)
広島のシーバスシーンに大きな影響を与える河川は上記の8本という事になる。
八幡川を除く7河川はもともと太田川という一本の太い脈であり、西区大芝辺りが脈を分岐させる心臓となっている。
その為、広島のシーバスシーンにおける上流域・中流域・下流域の定義は河川の長さで決められていない。
上流域と言えば高瀬堰(安佐北区)から安芸大橋までの脈部分、中流域が安芸大橋以南の心臓部と言われる大芝を巻きこんで国道164号ラインまで。
下流域は国道164号以南の約5km(海までの概ねの直線距離)。広島のシーバスアングラーが「今日は中流かな...」なんて会話をしていたら、前記したエリアを指すので参考に。
さて...この狭いエリアをシェアしているわけだけど、広島は人口あたりの年間釣行回数が全国一となっており、とくに中流〜下流域は激戦区。
コアなアングラーも多い為、年間を通して秋に備えて奮闘してきた人の中には、ハイシーズンにだけ現れるアングラーを嫌う人もいる。
お互いが気持よく振るには?
あたりまえの事をあたりまえにこなす
まず冒頭に書いたように、広島は橋がとにかく多い。橋から川面を覗き込むと、容易にベイトやシーバスを見る事ができる。
水も比較的透明度が高く、ベイトやシーバスのサイズまでも視認できる環境にあるわけだ。が、この行為はウェーディング中の
アングラーにとって困る行為の一つ。橋から水面までの距離が比較的近いので、影を落とすほどの覗き込みはご法度。
これはどこでも同じこと。
とにかく流れが速い
広島河川の流速はかなりのモノ。特に秋の大潮ともなれば、すごい速さで流れる時間帯があり、キャストしたルアーは
どんどん下流へ流されていく。その為、他県のウェーディングゲームよりも、広い間隔で立つ事が大事。
広島のアングラーは、近い未来の流速を読んで立ち位置を決めている場合が多い。1時間で50cm以上の潮位変動がある
のが広島河川。後から来たアングラーは立ち位置だけでなく、エントリー場所や立ち位置までの進路にも配慮を。
時合いの待ち方
ここ最近は競争率が高まり、時合い待ちの待機アングラーが増えてしまった。以前はタイミングを絞り込み、無駄打ちしない美しいアングラーが多かった広島だが、
いまは見る影もなくなってしまった。ウェーディングのタイミングを誤りポイントを潰してしまうアングラーもいる。
潰したポイントは、他のアングラーの釣果をも左右してしまう。
広島はウェーディングゲームでありながら、その干満差を生かして上流から下流へとランガンする事ができる素晴らしい土地である。
一日で多くのポイントを廻れるという単純なものではなく、魚と追いかけっこをしているという粋なスタイル。これが本来の姿ではないだろうか。