BOOT or BOOTS
原工房とSTORMがコラボで出したプラ製のブーツ。コノシロ着きで、僕自身が信頼して投げているルアーの一つだ。
オリジナルであるバルサ製のブーツと遜色無い釣果をもたらしてくれているのは、ウッドの性能を忠実に再現できているからに他ならない。
ウッドで完成されたルアーをプラ化する時、ハードルになるのが素材自体が持つ比重の違い。僕はビルダーではないので細かい事は分からないが、
水(淡水)の比重を1.0とすると、ルアーで使われるウッドの比重は、軽いものではバルサの0.16程度から、軒並み1.0を切るのが普通。木材には比重差
があるものの、概ね0.4〜0.7という範囲の木材が使われているのではと思う。一方、ルアーで使われているプスチックの比重は1.4ほどと思われ、浮力は無い。
浮力を持たないプラは中空にする事で浮力を得て、シンカーによりオリジナルのルアーと同じグラムになる様、ウェイト調整されている。
ウェイトを貼られる事で水を受ける面積には誤差が生まれ、調整。調整。また調整。。。。この繰り返しと長いスイムテストを行い、
オリジナルのビルダーである原弘一のGOサインが出たわけだ。
しかしながら、原工房オリジナルブーツとSTORM製ブーツには、意外と知られていない大きな違いがある。それが商品名だ。
原工房オリジナルは「BOOT」
そしてSTORM製は「BOOTS」
そう、STORM製は複数形なのである。実は、僕のブログでもタックルデータの「BOOT」を見た読者から、「綴りが間違ってますよ」との指摘を頂く事が
あるのだが、これは間違っているわけではなく、カタログ通り正確な商品名を記載しているというだけなのだ。
もともとブーツは靴のブーツに似た形状から命名されており、両足が揃っていない片割れの時点で、オリジナルの「BOOT」というスペルが正解。
さて、これはRapalaがやらかしてしまったのか、あえて明確な違いを持たせた戦略なのか、その答えは内緒。
いずれにせよ、「BOOTS」を買う際は買い物カゴに2つ入れてもらえば良いだけの話でもある。
もう何年前になるか、長崎へ車で帰省中の工房長が、ふらっと広島の我が家へ寄った事がある。
娘2人は僕の作った滑り台で遊びまくり、工房長は僕のプロトRODを見事に折って(笑)、嵐のように去っていった。
僕はその仕返しに、工房長の削ったルアーを日々痛めつけている。